2011/11/08防災・日本再生シンポジウム(国大協主催)のお知らせ

防災・日本再生シンポジウムポスター

 3月11日の東日本大震災以降,全国各地において地震防災に関するさまざまな企画が催されています。
 11月20日(土)には,「東海3県の国立大学が社会に向けて提言する巨大地震対策」と題したシンポジウム(PCサイト)が,名古屋国際会議場で開催されます。
 Y先生もパネリストの1人として参加します。Y先生は,「津波と液状化の二重苦」というお話しをします。

 わたしたちが住む濃尾平野は,第二次世界大戦前から昭和40年代にかけて,生活用水,農業用水,工業用水を確保するため大量の地下水を汲み上げました。とても軟らかい地下の粘土層から水が絞り出され,人為的に日本一広大な海抜ゼロメートル地帯を造り上げてしまいました。
 昭和34年の伊勢湾台風(気象庁サイト)における高潮災害では,数多くの尊い人命が失われました。名古屋市やその周辺では地盤沈下が激しく,高潮に対して無抵抗な土地が広がり,そこに無計画に市街化が進んでいたことも被害を大きくしました。

 そこで,わたしたちは,地盤沈下がもたらした海抜ゼロメートル地帯を脅威と考え,法律によって地下水の揚水規制を始めました。そのかいあって,現在,地盤沈下は一部の地域を除き,沈静化しています。
 しかし,いったん沈下した地盤は,元通りにはなってくれません。沈んだままです。
 私たちの次の時代にわたって,海よりも低い広大な土地が存在し続けます。これに加え,地下水の汲み上げ規制により,濃尾平野の地下水は,どんどんと地表に近づき,わたしたちのすぐ足下に存在しています。このことは,地震時の液状化災害を非常に大きくすることを意味しています。

 津波による広範囲な浸水,地下水位の高い軟弱地盤における広範囲な液状化,わたしたちは,自分たちが造り上げた地形と法律により,自然災害の脅威を増大させています。このことに気づいておかなければなりません。

:Y先生のひとりごと