2013/07/08ラジオ「岐阜大学からこんにちは」生命科学総合研究支援センター 下澤伸行先生

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ラジオFMわっち(78.5MHz)の「わっちアフタヌーンアワー」の中で,岐阜大学の情報をお届けする「岐阜大学からこんにちは」に,今月は生命科学総合研究支援センター長の下澤伸行先生が出演しました。


下澤先生は,生命科学総合研究支援センターのゲノム研究分野所属で,さらに,附属病院の小児科医でもあります。遺伝子の異常により障がいを持って生まれてくる子どもたちの病気の診断法の確立と病態の解明,治療法の開発などを主に研究しています。


ラジオ放送では,
難病の1つで,中枢神経系などに異常をきたす遺伝病「副腎白質ジストロフィー(ALD)」のこと,また全国で,岐阜大学が小児のALD遺伝子診断を担う拠点であることを紹介しました。

【難病の副賢白質ジストロフィーとは】---------------------------
脳と副腎の異常を特徴とする遺伝病で,通常男性において重症な症状をきたします。
幾つかの病型があり,最も多い小児大脳型では全く正常に発達していた男の子が小学校入学前後に,視力や聴力障害,行動異常,成績低下,歩行障害,けいれんなど極めて多彩な症状で発症し,無治療では数年で寝たきりになってしまう場合もあります。
日本では,1年間に約25人の男性患者と35人程度の女性保因者が生まれると考えられていて,全国で少なくとも300人程度の男性患者がいると推測されます。
大脳型の唯一の治療法は発症早期の骨髄移植や臍帯血移植のみになります。
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岐阜大学ゲノム研究分野では,最短3日というALD遺伝子診断システムを確立し,全国の多くの患者さんを迅速に診断し,治療に結びつけています。


下澤先生は,「発症直後にこの病気を疑って診断し,出来るだけ早く移植するしか,病気の進行を止める方法がないため,まずは多くのみなさんにこの病気について知っていただきたいです。また,多くの方へドナー登録への理解をしてもらうことも大切です」と呼びかけました。


このラジオ・ブログを通じて,少しでも多くの方にこの病気のことが知ってもらえますように。


:なでしこ広報