今日は,教育学部国語の山田が書いております。
岐阜市を中心としたコミュニティFMのFMわっちでは,毎月第2月曜日に「岐阜大学からこんにちは」というコーナーを放送しています。大学の教員や学生から毎月,研究紹介や学生活動などのお話をしてもらっているこのコーナー。今月は,教育学部国語の山田が話をさせていただくことになりました。
教員というものは話慣れているので,ぜんぜん緊張というものはしません。ただ,自分の伝えたい想いを十分に伝えられるようにがんばるだけと本番に臨みました。
ことば・方言に興味を持ったきっかけは?
岐阜市内の高校に通っていた頃から,外国語に興味を持っていました。高一からスペイン語,フランス語,中国語と勉強し,大学では言語学を専攻しました。外国語に興味があり外に出てみたかったのです。
大学院を修了し,仕事でイタリアに行って転機が訪れました。外国人に日本語を教える仕事を通じて,「日本語っておもしろいな」と思うようになり,もう一度大学院へ。3年間勉強しました。
方言を研究し始めたのは,最初に就職した富山の小さな大学で教えているとき,隣県なのにこんなに違うのかと,ことばの違いに驚いたことがきっかけのひとつです。11年前岐阜に戻ってきたことを契機に,本格的に岐阜方言の研究をしはじめました。
岐阜の方言でおもしろいことばは?
「世話を焼く」という意味の「しゃちやく」をご存じですか。
このことばは,「金鯱」の「しゃち」とはまったく関係がなく,「差し出がましい」などの「差し」と「掻く」ということばが複合したものなのです。それが,「世話を焼く」にひっぱられ,一方で「さし」が「しゃち」となり,「しゃちやく」ということばができたものと考えられます。このことは,三重県には「さしがく」ということばがあり,近隣の県から類推するとわかってきます。
岐阜のことを知るためには外を知り自らを知ることが大切なのです。
今,このような岐阜県のことばの財産である方言を集めて『岐阜県方言辞典』を作っています。県内の公立図書館などに置いてありますので,見て下さい。
岐阜大学を受験しようとしている人へのメッセージは?
ことばが重要です。
ことばで情報を十分に集め,考え,発信できる人にこそ,岐阜大学に来てほしいと思っています。
また,広い視野を持って岐阜県のことを真剣に見つめる人に来てほしいと思っています。
収録後の感想。
DJの浅井さんの見事なインタビューでアットホームな雰囲気の中,あっという間の15分でした。
浅井さんが飛騨のご出身とあり,有名な飛騨方言「はんちくたい」を例に出したときの嬉しそうなお顔。やはり,方言は心のことばなんだと感じました。
いい経験になった晩夏の午後でした。
:教育学部国語教育講座 山田
9月3日(月)に,岐阜大学病院を起点にするコミュニティバス『ほっとバス』が,乗車5万人を達成しました。その記念式典が,4日(火)16時から岐阜大学病院『ほっとバス』停留所で行われたので,行ってきました。
岐阜市北西部の黒野,西郷地区のコミュニティバスとして,2008年から試運転が,2010年から本格的運用が始まりました。この地区の住んでいる方の足代わりとなって,巡回しています。現在は,1日に50人ほどの利用者があるそうです。
黒野・西郷地区コミュニティバス等運営協議会の会長の挨拶に始まり,来賓の挨拶がありました。この中で,森学長は,黒野の歴史に触れ,黒野城主が伯耆国米子藩(現在の鳥取県)へ移封された故事来歴を紹介,現在,本学が進めている鳥取大学との獣医学の教育連携を重ねて話しました。
来賓の挨拶に続き,5万人目に乗車された方,その前後の2名の方へ感謝状と記念品が贈呈され,くす玉が割られました。
最後に,ほっとバスの出発を見送り解散しました。
:マリオ