ラジオFMわっち(78.5MHz)の「わっちアフタヌーンアワー」の中で,岐阜大学の情報をお届けする「岐阜大学からこんにちは」に,今月は,工学部 池田将先生が出演しました。
先日,池田先生の共同研究の成果が英国科学雑誌「Nature Chemistry」に掲載されました。
おめでとうございます!「Nature Chemistry」は,化学の分野ではトップレベルのジャーナルです。とても名誉なことですね!
ラジオ放送では,この話題の研究や先生が生命工学の分野を目指したきっかけなどをお話ししました。
池田先生は,「バイオマーカーを見分けて溶けるゲル状物質」を開発されました。難しそうな内容ですが,話題の研究について教えてください。
池田先生「ゲル状物質はゼリーのようなものをイメージしてください。バイオマーカーというのは,病気の指標になる物質です。今回は,水をゼリーのように固め,このゼリーに酵素を混ぜておくとバイオマーカーがいるかどうかを見分けて溶けるようにする分子を開発しました。
では,今回開発した分子がどのように役立つかといいますと,病気をもっている人か,また症状の程度によって,必要に応じて,必要な量の薬剤をゼリーの中から溶かし出す(摂取する)ことができるようになります。ただし,またまだ臨床実験などこれからの話ですので,実用化に向けては地道な研究が大事です。」
この分野を目指したきっかけを教えてください。
池田先生「学生の時に,配属先の研究室で新しい分子をデザインして,自分で作った分子に仕事をさせる研究の面白さを実感したのがきっかけです。普段目にすることのできない分子を作ることは楽しかったですね。また,現在,岐阜大学では,研究室の学生と一緒に医療や診断に役立つ分子を開発しています。失敗も多いですが,それも新しい発見です。研究者は,日々新しいことに出会えるわくわくするような職業ですから,学生のみなさんに,研究者や科学者を目指してもらえるとうれしいですね。」
とてもさわやかな先生で,難しいお話をわかりやすく紹介されました。
なかなか分子レベルの構造について,考える機会は少ないと思います。
これをきっかけに高校生や学生のみなさんにとって,化学が身近な存在になりますように。
:なでしこ広報