2012/08/16岐阜大学のココがすごい:天体観測ドーム

今年は,金環日食や金星の日面通過といった天体ショーが日本各地で観測されましたね。
天体などに興味を持った方も多いのではないでしょうか。
かくいう私もその一人です。
最近では8月14日には金星食がありましたね。 だったらもう次の紹介はここしかないさ!
というわけで岐阜大学のココがすごい!シリーズ第3弾は「天体観測ドーム」です。

教育学部棟 岐阜大学の天体観測ドームは教育学部棟の屋上に設置されています。
銀色のドームでよく目立つようになっています。
さて,今回この天体観測ドームを案内していただくのは,岐阜大学教育学部教授の川上紳一先生です。
ここで川上先生のされている研究について紹介します。
川上先生の専門は地学です。
先生は,地層から地球の歴史の解読をする「縞々学」や太陽系の起源に関する「地球惑星科学」などの「地球史」を研究されており,一般の方向けの本も出版されています。


隕石 まず,研究材料の隕石の一部を見せていただきました!
隕石は,時間がたったりするとどんどん風化してしまい,宇宙にあった時の様子がわからなくなってしまうため落ちて間もない新鮮なものほど貴重らしいです。
右上の写真の隕石はさびて赤っぽくなっています。これは鉄分が非常に多く,磁石(丸い金属)もがっしりくっついていました。
右下の写真は隕石が衝突したときにその熱で溶けて飛び散った隕石の破片が冷え固まったものです。そのため,雫状の形などなめらかな形をしています。

モルバダイト これは,モルバダイトというガラス質の石です。これも隕石の衝突時の圧力や熱で生まれたガラス質の石です。パワーストーンとしても知られているようでとてもきれいです。




教育学部棟屋上 それでは,天体観測ドームへ行ってみましょう。
ドームは教育学部棟屋上の中でも,もう一段高くなっているところにあります。
眺めが非常によく大学周辺が一望できます。

天体望遠鏡 天体観測ドーム内に入ってみました。
ドーム内中央にあるのが天体望遠鏡です。
この天体望遠鏡はなんと!27年前から使われている天体望遠鏡なのです。
そのため最近の天体望遠鏡と比べるとほとんどアナログで星を見つけたり,座標を合わせるのは自力での作業です。
大きな天体望遠鏡で星を探す作業は,「イメージ」が非常に大切のようです。
イメージとはどのように見えるか,どこにあるかを頭の中に描き,あらかじめ見当をつけておくことです。
このイメージを持っていないと,どうなるでしょうか。
中学校ぐらいのとき,理科の授業の顕微鏡を使った観察で「なかなか観察対象が見つからない!」「何も見えない!」という経験をしたことがあります。実はこれもイメージがないための現象なのです。
大きな天体望遠鏡で星や惑星を探す作業も,まったく同じなのですね。
それに加え,天体望遠鏡を通した景色も,実物と左右上下が反転して見えるので,イメージを持っていないと「??」と困惑してしまいます。

月を観察してみました 実際に,天体望遠鏡で月を観察してみました。
観察は夜じゃなくてもできるんです!この日は,午後4時半ごろ,月が出ていて肉眼でもしっかり見えていました。
天体望遠鏡で見ると・・・
残念・・・まだ周りが明るすぎて月の輪郭しか見えませんでした。 もう少し暗ければよかったのに・・・

月の月齢ごとの写真 ドーム内には月の月齢ごとの写真が貼ってありました。
撮影はとても大変なようで,曇ってしまって月が見えなかったり,写真をとった時必ずしもきれいに写らなかったりした時には,次に同じ月齢の月が見えるまでひと月ほど待ちになってしまうからです。
天体は見るのも撮るのも運と根気が必要ということがわかりました。(運が・・・運が・・・私にはないのか・・・)

天体教室も行われているみたいなので興味のある人はぜひチェックしてみましょう。
次回の天体ショーがあるときはまた天体観測ドームに足を延ばしてみたいと思います。

では,今回はここまで。
だいぶ長くなってしまいましたが読んでいただいてありがとうございます。
次回もお楽しみに!

文責 : たじ