Hi there!
A month ago, I joined New York Global Young Leaders Summit 2013,
so called Model United Nations.
About 500 students from all over the world gathered in New York City!
はじめまして。教育学部4年の金武李佳です。
3月26日~29日にアメリカのニューヨークで開催された
New York Global Young Leaders Summit 2013(以下 模擬国連)に,はじめて参加してきました。
模擬国連は,私たちのコミュニケーション能力や,外国への理解を深める絶好の機会!
この4日間のプログラムは,国際連合直属で,進行はすべて英語です。
簡単な模擬国連の説明と,そのときの様子をお伝えしたいと思います。
模擬国連とは?
高校生や,私たち大学生が,実際の国際連合の会議と同じ形式で議論。
応募すると私たちは,委員会ひとつ,担当国ひとつを割り当てられる。
たとえば私は,モロッコ大使として,経済・財政委員会を担当。
活動は,その委員会に分かれて行われる。
40人の委員会なら,40か国の大使。
あるトピックについて,どんな方法(決議)をとれば,自国,そして全体のために最良かを話し合いで模索する。
国ごとにさまざまな事情を抱えているため,国際社会に求める内容も異なる。
そのため,他国の主張・思惑を聞きだすと同時に,自国の主張を通す,「交渉力」がこの会議のカギ!
【1日目】
説明会と開会式のあとは,さっそく委員会での活動です!
私の委員会の学生の出身国は,フランス,メキシコ,ドイツ,インド,日本,インドネシア,カナダ,中国,バングラデシュ3人,あとはみなイタリアからでした。とってもグローバル。
一つ目の議題は,
「開発のための新しい資金政策」です。
スピーチ後に自由討論(自由に議論・説得,決議案の作成をする)の時間に入りましたが,少し経つと,となりのグループが,なにやら不穏でただならぬ様子に。
他の大使も何事?という感じでそのグループの話合いに巻き込まれていきました。
グループの一人に聞くと,「議論の話し合いの前に,メンバー構成を変えてほしい」「議題を取り下げてほしい」というのです。
賛成・反対派,そして事情がつかめない者で混乱し,とにかく明日に持ち越しだ,ということで会議は終了しました。
今まで三か月もその議題について準備してきたのに...なんで議題とりさげ?!
どうやら,委員会のメンバー構成のアンバランスさについて不満がある(会議にイタリア出身の割合が多すぎる),ということ。
欧米人の傾向なのか,ヨーロッパ人の傾向なのかはわかりませんが,初日からこの主張は,さすが,と驚かされました。
この場ではFlexibility‐柔軟性‐が不可欠」と聞いてはいましたが,それを感じた1日目でした。
【2日目】
昨日の騒動は,ことの発端の大使たちの話し合いでその夜解決したらしく,2日目は,何事もなかったかのように始まりました。
新しい投資の資金政策として,私の案と同じことを考えていたアフリカ担当の大使がいたので,アフリカ大陸から決議案を作ろう,ということに。
しかし,この提案は上手くいかず,悔しい思いをしました。
この場ではスピードが物を言います。
はりきって決議案を考えている間に,ドイツ・フランス,そしてまた別にアメリカの率いる2つのグループが,あっという間に票集めに動き出したのです。
ただ,ドイツ案に,私たちの提案と似た内容が含まれているということで,とにかくそちらの話も聞いてみることにしました。
こういったやりとりの中で感じたことがあります。
内容も筋が通っているはずなのに,思っていることが伝わらないこと,逆に相手のいうことが伝わってこないことがありました。
議論の内容自体は,リサーチのおかげで問題ないのですが,
研究ではなく議論の難しいところで,いざ交渉になるとなかなかうまくいかないのです。
原因は,英語力の問題の他にもある気がしています。
話すタイミング,瞬発力,また注目するポイントの問題,いろいろあると思います。
そんなとき,イラク大使はとにかく質問していました。
わからないからといって黙っていることや,逆にわかっているのに黙っていることは問題で,
些細なことでもたくさん質問することは問題ではないことは彼女から教わりました。
諦めずに徹底的に聞きだすことで,わからないことをつぶし,自分の意見をなんとしてでも築こうとするのです。
最終的に私は,アメリカ案のリスクの大きさから,ドイツ側に票を入れました。
結果は,アメリカ側の作った決議案が通りました。
「アメリカ大使はイタリア人で,イタリア出身の学生がそれに多く協力していた。イタリア出身同士,議題とは関係なく協力していたように見えた。それはフェアじゃない。」ということで,棄権する人もいました(本当のところはわかりません)。
【3日目】
この日のテーマは,
ICT(Information and Communication Technology)。
ドイツ・フランス大使は,いつまで待っても現れませんでした
昨日かなり悔しがっていたし,決議案を通せなかったからすねたのか?
こういう国同士のライバル心は,今回模擬国連に参加した私たち日本人3人にはないものでした。
昨日は出身国同士のはりあいも入っていた感はありましたが,決議案を通せた側もしっくりこなかったようで,全体で協力してひとつの決議案を作ろうということになりました。
この日のコーカス(グループ討論)では,互いの国の文化や言葉について話すこともありました。
大使からただの学生にもどって,緊張の雰囲気が解けてわきあいあい!
政治が話題に上がるのもこの場ならではで,いろいろなことに自分の意見を持っていれば,もっと面白い話ができるという気づきもありました。
コーカスの時間が終わって投票に移り,予定どおり全体で作った決議案が決議となりました。
明日はモロッコにも深くかかわる「エイズ」の話題なので,スピーチをしようと決意し,会議は終了しました。
この日の夜は,民族衣装でのパーティ!
ヨーロッパは衣装を持っていない学生が多かったので,アジアの国々の衣装を中心に見ることができました。
私は浴衣。実物をみたことがない人が多く,写真,写真!と,予想以上に喜んでくれました。
【4日目】
最終日は次の議題に進み,昨日欠席したドイツ,フランス参加です。
すると議長から突然,「もうスピーチの時間をとらない」と伝えられました。
理由は,「この委員会のメンバーはコーカスしたがるばかりで,スピーチする人が少ない。だからもうその時間はいらないだろう。」ということ。
こんなこともあるの?!と,またショックでした。
この日も前日同様,全体でひとつの決議案を作るために協力して進みました。
ここで,意味のある会議を進めることの難しさを感じました。
というのは,3日目・4日目はたしかに会議はスムーズだったけれど,
2日目は対立もあり大変だった分,出来上がった内容も濃かったのです。
最後に
準備から本番まで多くの方に出会い,助けていただきました。
教育の英語科の巽徹先生,David Barker先生,社会科の上野友也先生です。
David先生のご紹介でモロッコ出身の女の子とメールでやりとりしたり,同じモロッコ担当の九州大学の伊藤くんと,スカイプで調べたことを報告しあったり,モロッコ大使館を訪れて,英語でインタビューしたのも印象深い経験です。
本番では,流れがどんどんかわっていく,予測できない話し合いの難しさを肌で実感しました。
今後もつきあっていきたい,大切な仲間にも出会うことができました。
違う文化の仲間と話していて面白いのは,ひとつのことでも違う視点から見ることができること。
それに,自分のことを思ってくれる友達が遠くにいることは単純に嬉しいものです。
これまでは「世界=日本人+外国人」だった頭のなかの構図が,
「世界=○○人+○○人+...+アジア人(日本人)」に変わりました。
世界のたくさんいる人口の一部であること。当たり前のことですが,それを実感できたことは大きかったです。
教育学部 生涯教育課程 心理発達研究分野 4年
金武 李佳
岐阜大学公式Webサイトでも紹介しています。詳細は
こちら(PCサイト)からご覧ください。