2012/07/12【学長直行便】「教育」についてのご意見・ご提案にお答えします Vol.5

仕事の現場を経験できる学習機会をもっと増やして下さい



【ご提案内容】

 社会人生活も早くも3年目をむかえております。私は,コンサルタント会社に就職し,関東で仕事をしております。今年,3月11日14時46分に太平洋三陸沖を震源としてマグニチュード9.0の日本観測史上最大の地震が発生しました。多くの方が亡くなられた当該地震は,いち技術者として考えさせられるものです。被災地に橋梁点検に行きましたが,兵庫県南部地震以降,耐震技術が見直されているにもかかわらず,多くの橋,多くの道路,多くの土木構造物において致命的なダメージが見られました。大学で学ぶことは,多くのことが机上のものであります。インターンシップなど学外にでることもありますが,もっと多くの学生が,自分が進みたい道(仕事)の現場にふれ,基準がすべてでないことを学び,社会の基盤となる技術を身につけていただきたいと思います。学部生のころから,現場見学会などの回数を増やしていただきたいです。

(工学部卒/20代男性より)


 ○市民講座にチャレンジ(仮題)
 大学院生・学生から,公民館での講座,市民講座等の講師を募集し,派遣する。又,学内で行う。(大学院生・学生の勉強になる。インプットの学習よりアウトプットすることによる学習効果の増大)

(応用生物科学部(旧農学部)卒/60代男性より)


 目的としては2つあります。
①生徒と社会のジェネレーションギャップをうめる
②生徒に社会人の学ぶ姿勢を見てもらう。
①の効果があると思うのですが,以下体験談です。現在,福井大学の生涯教育講座に週1~2回参加しております。開放講座は教養・専門のかなり大部分です。生徒と同じ条件というのが,社会人にとっては一番うれしいです。対談以外は全て同条件で予習もレポートもあり,現役のときより面白い(?)です。参考になればと,思いまして。

(応用生物科学部(旧農学部)卒/50代女性より)

【回答】 努力しています

 ご意見ありがとうございます。
 学生時代に職業の現場を経験するインターンシップは,社会人としての基礎力育成,キャリア意識の形成とともに,学生を受け入れて頂く企業・公共団体様と大学をつなぐ事業として極めて重要と認識しております。
 平成23年度の実績では,全学で250名の学生が176社の企業等でインターンシップを経験させていただいております。受け入れて頂いている企業・公共団体様は多岐にわたっております。
 同時に,平成23年度に発足した本学キャリアセンターでは,学生のキャリア形成支援を目的としており,全学共通教育の一環としてキャリア形成科目を開講しております。平成24年度より「地域協働型インターンシップ」科目を開講し,社会的・職業的自立を目的とした講義を展開しております。
 また,多くの学生にインターンシップのよさを理解してもらう機会として,毎年インターンシップ参加学生成果報告会を開催しております。
 一方,ご指摘いただいたように,日頃の学習の場として,現場見学の機会を増やすことも重要と考えます。
 日頃の学習機会が学生のキャリア意識形成へとつながるよう,今後とも努力して参ります。